オフィスの明るさは、快適に仕事ができる環境をつくるうえで、ポイントとなる項目のひとつです。
オフィスが明るすぎたり暗すぎたりすることで、生産性に影響が出るともいわれています。
今回は、オフィスの適切な明るさや生産性との関連についてご紹介しますので、オフィスのよりよい環境づくりの参考にしてください。
オフィスの適切な明るさは?明るさの基準になる照度とは?
明るさの基準となる「照度」とは
明るさを示す数値は照度といい、単位面積当たりに入射する光の量を指します。
単位はlx(ルクス)で、光源によって照らされる面の明るさを表しています。
照度の基準となるのは、労働安全衛生規則で定められている「最低照度」と、JIS照明基準で定められている「奨励照度」です。
オフィスにおける照度の基準
労働安全衛生規則における最低照度は、精密な作業で300lx以上、通常の作業で150lx以上、粗な作業で70lx以上と定められています。
JIS照明基準におけるオフィスの奨励照度は、500lxから750lxと定められていて、ほとんどのオフィスはこの範囲内に収まっています。
ただ、かつてオランダの物理学者が、オフィスの机上照度の基準を750lxと提唱していましたが、近年はPCやスマートフォンを活用する会社が増え労働環境が変化しています。
そのため、必ずしも750lxが、快適な労働環境をつくりだす照度ではないと考えられるようになりました。
では、オフィスの明るさが適切な場合、仕事の生産性に影響があるのか次の項目で見てみましょう。
オフィスの適切な明るさは?照度と生産性に関連はあるの?
「照明計画と知的生産性に関する研究」によると、「オフィスの照度基準である500lxから750lxが最も満足度が高かったが、満足度の高い環境が必ずしも作業効率を向上させる空間ではない可能性が示された」という結果が出ています。
オフィスの明るさは生産性と関連がないというものの、暗すぎると眠気を感じやすくなってしまいます。
そのため、生産性が落ちることも考えられるので、全く関連がないとも言い切れません。
この結果から、生産性につながるオフィスの適切な明るさは、職種によって好む明るさを考えることです。
たとえば、クリエイティビティを発揮する職種は、750lxよりも暗い環境を好みます。
アンケートによって社員が好む明るさを調査するなど、シチュエーションによって適切な環境を整えることが大切です。